人生の捨石(すていし)と要石(かなめいし)
捨石(すていし)と要石(かなめいし)、という言葉をご存知でしょうか。
囲碁で、
捨石・・・サイアク取られてもOKな石
要石・・・絶対取られてはいけない石
のことを言います。
先日、老舗お寿司屋さんの社長の講演を拝聴いたしました。
そのときに社長が、
「捨石と要石」のことをお話してくださり、
大変感動しましたので、軽くシェアさせていただこうと思います。
代々続くお寿司屋さんの経営者として跡を継いだとき、
◯億の負債を抱えていた状態だったそうです。
なんとかして会社を立て直さなくてはいけない、と必死になっていたとき、
実のお父様からこう聞かれたそうです。
「うちの店にとっての捨石と要石は、一体なにか、わかるか?」と・・・
お父様は、
「捨石は、個人的財産と個人的名誉である。
要石は、
◯十年守ってきた暖簾(のれん)が持つ社会的信用、
そして社員である。苦しいときに社員を裏切る判断はしてはいけない」と・・・
そこで社長は、捨石である個人的財産を個人的名誉を全て捨て、
必死で、暖簾(のれん)と社員を守ってきたそうです。
それぞれの時代に逆境があり、この先も常に安定することなどありません。
命がけで乗り越えてきたストーリーを社員と共有していくことが
長く企業を守り続けていく一番大切なことなのです。
とおっしゃっていました。
コロナ禍で、国内外では、
多くの社員がレイオフ(一時解雇)されたり、
リストラ(解雇)されている中、
個人的名誉と個人的財産を捨石にできる経営者は
一体どれほどいるのでしょうか。
暖簾(のれん)を守る、社員を守ることが
長く企業を存続させていく絶対条件だと言い切れる企業は
どれほどあるのでしょうか。
100年以上続く老舗企業は日本に多く存在しますが、
なんと老舗企業の41.3%は、日本にあるそうなのです。
日本人の力強さと、
何よりも「人としての在り方」を重要視するDNAが
根付いているのです。
本気の覚悟をもって、
伝え続けていかなくてはならないものを命がけで守る!
そのお話を聴いたとき、
全身が震えるほど、心が揺さぶられました。
私にとっての
捨石と要石はなんだろうか・・・
そして捨石となったものは本当に捨てられるのだろうかと・・・
自分はなんてちっぽけで未熟なんだろうかと
改めて感じることができ、
この講演会に参加して良かったと心から思いました。
これからの人生、
あなたにとって、捨石と要石はなんですか?
「人生を上昇気流に乗せるメールマガジン」読者登録はコチラ
■執筆者 香山万由理(かやままゆり)
一般社団法人ファーストクラスアカデミー【FCA】代表理事
一般社団法人日本キャビンアテンダント理事