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人生の捨石(すていし)と要石(かなめいし)

2023-02-20

捨石(すていし)と要石(かなめいし)、という言葉をご存知でしょうか。

囲碁で、

捨石・・・サイアク取られてもOKな石

要石・・・絶対取られてはいけない石

のことを言います。

先日、老舗お寿司屋さんの社長の講演を拝聴いたしました。

そのときに社長が、

「捨石と要石」のことをお話してくださり、

大変感動しましたので、軽くシェアさせていただこうと思います。

代々続くお寿司屋さんの経営者として跡を継いだとき、

◯億の負債を抱えていた状態だったそうです。

なんとかして会社を立て直さなくてはいけない、と必死になっていたとき、

実のお父様からこう聞かれたそうです。

「うちの店にとっての捨石と要石は、一体なにか、わかるか?」と・・・

お父様は、

「捨石は、個人的財産と個人的名誉である。

要石は、

◯十年守ってきた暖簾(のれん)が持つ社会的信用、

そして社員である。苦しいときに社員を裏切る判断はしてはいけない」と・・・

そこで社長は、捨石である個人的財産を個人的名誉を全て捨て、

必死で、暖簾(のれん)と社員を守ってきたそうです。

それぞれの時代に逆境があり、この先も常に安定することなどありません。

命がけで乗り越えてきたストーリーを社員と共有していくことが

長く企業を守り続けていく一番大切なことなのです。

とおっしゃっていました。

コロナ禍で、国内外では、

多くの社員がレイオフ(一時解雇)されたり、

リストラ(解雇)されている中、

個人的名誉と個人的財産を捨石にできる経営者は

一体どれほどいるのでしょうか。

暖簾(のれん)を守る、社員を守ることが

長く企業を存続させていく絶対条件だと言い切れる企業は

どれほどあるのでしょうか。

100年以上続く老舗企業は日本に多く存在しますが、

なんと老舗企業の41.3%は、日本にあるそうなのです。

日本人の力強さと、

何よりも「人としての在り方」を重要視するDNAが

根付いているのです。

本気の覚悟をもって、

伝え続けていかなくてはならないものを命がけで守る!

そのお話を聴いたとき、

全身が震えるほど、心が揺さぶられました。

私にとっての

捨石と要石はなんだろうか・・・

そして捨石となったものは本当に捨てられるのだろうかと・・・

自分はなんてちっぽけで未熟なんだろうかと

改めて感じることができ、

この講演会に参加して良かったと心から思いました。

これからの人生、

あなたにとって、捨石と要石はなんですか?

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■執筆者 香山万由理(かやままゆり)

一般社団法人ファーストクラスアカデミー【FCA】代表理事

一般社団法人日本キャビンアテンダント理事