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3年かけて育てた社員には理念が浸透する

2023-02-25

春になると、新入生、新社会人の姿を見かけるので、フレッシュな気分になることができます。

当社も春は研修繁忙期です。

新入社員研修はビジネスマナーの基礎基本をお伝えするので、全ての土台となる一番重要な研修です。ここを疎かにしていては、元も子もありません。

世の中にはいろいろな研修があります。

例えば、

「モチベーションUP研修」や「アンガーマネジメント研修」「リーダーシップ研修」等です。

これは魅力的に見えますし、

すぐに社員さんのやる気が上がるような気分になるので、人気があります。

しかし私は個人的に、

「モチベーションUP研修」や「アンガーマネジメント研修」をいきなり導入するのは、

花火と一緒で危険が伴うと考えています。

当社の認定ビジネスマナー講師に向けて

「コミュニケーショントレーナー養成講座」を開催しました。

コミュニケーショントレーナーになるには、まずは人としてのマナーを教えられる土台がなくてはいけません。

基礎基本ができていない状態で、コミュニケーションのテクニックだけ伝えても全く意味がないからです。

当社の認定ビジネスマナー講師たちは、土台がしっかり備わっていますので、

本質を伝えられるコミュニケーショントレーナーになることができました。

実は、他人のモチベーションをUPさせるのは、簡単です。

例えば、

あなたが後輩(ここでは既婚男性と仮定します)を食事に連れて行ったとします。

素敵なお店に連れて行って、美味しいお食事をご馳走し、

その後輩を勇気付ける言葉を投げかけ、とっても盛り上がりました。

解散は夜遅くなってしまいましたが、楽しい時間を過ごしたとします。

きっとその後輩は、

ググッとモチベーションがUPし、

「ありがとうございます!すごくやる気が出ました!明日からも頑張ります!」

と目をキラキラさせているでしょう。

しかし、その後輩が帰宅すると、

奥様から、

「一体何時まで会社の人たちと付き合ってるのよ!少しは家庭のことを考えたらどうなの?飲みに付き合わせるなんて、あなたの会社の先輩、非常識なんじゃないの!」

と怒られたとしたらどうでしょう・・・

あれだけモチベーションがUPしていたのに、

奥様のひと言で、シューンとモチベーションが下がってしまいます。

モチベーションは簡単に上がったり、下がったりするものです。

自身でコントロールできる人もいますが、

それはレアケースであり、

一般的にはコントロールが難しいものです。

だから、モチベーション頼りにしては危険なのです。

コロコロ意見が変わったり、

すぐに流されてしまう人は、モチベーションという

危ういものを頼りにしてしまっています。

人としての基礎基本がまず大切だ!と

私が毎回耳にタコができるほど口うるさく言っているのは、

「道徳心」を身につけるためです。

「道徳心」がしっかりと備わっていれば、

人によって態度を変えたり、好き嫌いの気分で仕事をするようなことは無くなります。

この「道徳心」を身につけるための時間が3年かかるのです。

人を育てるには、時間軸を気にする必要があります。

1年目で論破してしまうと、

3年目になったとき、なついてくれません。

芽が出るな、と思った人材には、とにかく信用して、話をしていくことが重要です。

3年かけてじっくりと関係性を作っていけば、その人はあなたのことを信用し、

あなたのマインドを伝える人になってくれるのです。

ジャニーズ事務所がわかりやすい例です。

まだ表舞台に出ていない時期から、長い目で、先輩たちからジャニーズのマインドが伝えられます。

いざ脚光を浴びるときがきても、

ジャニーズのマインドから外れることはなく、

また同じように若手の後輩たちを育ててくれます。

人は、即効性が好きです。

モノならば、修理して、即使えるようになるかもしれません。

しかし、人材教育だけは、

即効性を期待して、上っ面だけ刺激してみても対処療法にしかならないのです。

ですから、道徳心が何なのかまだわかっていない人に対して、

モチベーションUP、アンガーマネジメント、リーダーシップのようなテクニックだけ教えたところで、一時的には変化しても、すぐ元に戻ってしまいます。

「人は3年かけて育てる」

ここが忍耐のいるところでありますが、

3年経って、意見がコロコロ変わったり、

モチベーションで仕事をしてしまう人材だらけになるよりは、

3年経ったとき、あなたと同じように、

理念やマインドを当たり前のように伝えてくれる人材が育ってくれている方が、

よほど効率がいいのです。

ここをきちんと理解できている経営者ははっきり言って少ないです。この本質を理解していらっしゃる経営者の会社は業績も良いですし、目に見える数字となって表れています。

とにかく相手を信頼して、対話する時間を多く持つこと。

いつでも相談してもらえるような関係性を作ること。

地味な方法ですが、

結果的に一番効果が出るものです。

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■執筆者 香山万由理(かやままゆり)

一般社団法人ファーストクラスアカデミー【FCA】代表理事

一般社団法人日本キャビンアテンダント理事